隠し味
その日は彼の両親が泊まりがけで旅行に行ったために夜ご飯がないらしくコンビニ弁当にすると言い出したので、私が代わりに作ることにした。
とはいっても凝ったものはできないので彼の家の冷蔵庫にあるものを使ってカレーを作った。
市販のルーを混ぜて作るだけではつまらないので隠し味としていろいろ混ぜ合わせた。
もちろん隠れてない隠し味になるようなことはなく、旨味を引き出す隠し味だ。
量は明日の朝も食べられるように少しだけ多目に作る。
できたカレーをよそい彼の分と私の分を机の上に並べる。
「「いただきます」」
二人で声と手を合わせ目の前のカレーを食べ始める。
彼としては思ったよりも美味しかったみたいでどんどんスプーンが進んでいる。
私の隠し味が良かったみたいで普段のカレーより美味しいと言ってくれた。
もちろんコクや旨味を出すために色々混ぜ合わせたが一番の隠し味は彼の事を考えて作ったことによる[愛情]が美味しさの秘訣だと思っている。
彼の美味しそうに食べる笑顔を見れて作ってよかったと心から思えた。