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いつかはみんな収まるところに収まる。
もういい時間です。
おまるはご主人様と寝ることにしました。
布団にもぐると、おまるは急に不安になりました。
昼間の小鳥のことを思い出したのです。
「こんな幸せいつまでつづくか分からない。明日、死んでしまうかもしれないのだ」
おまるは賢いアヒルですが、自分の意思とは無関係に溢れ出したこの感情をどう扱ってよいものか、分からない時だってあるのです。
おまるは哀しくて哀しくて涙をぽろぽろと流しました。
ご主人様はそれに気がつき、おまるの頭を優しく撫でて話を聞いてくれました。
「大丈夫だよ」
とご主人様は言いました。
「いつかみんな死ぬんだから」
一体なにが大丈夫なのか。
慰めているのか諦めろと言っているのかわかりません。
ご主人様は時々このようにスットコドッコイな発言をするのです。
おまるは反応に困り、適当に頷いて目を瞑りました。
しかしおまるはいつのまにか哀しみが薄れていることに気が付きました。
ご主人様のスットコドッコイな発言のおかげです。
さすがご主人様だ、一生付いていこう。
おまるはそう心に決めました。