表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

命を食べたことのないやつなんていない。

挿絵(By みてみん)

公園に行く途中、おまるは道端で小鳥が死んでいるのに気が付きました。


小さな小さな小鳥です。


おまるはその小鳥の死を悼みながら「なんまんだぶなんまんだぶ」と手を合わせました。


おまるはこの小鳥を荼毘に付してよいものか、考えあぐねました。

人間の法律はよく分かりません。

死体損壊容疑をかけられたらことです。



おまるが困っていると、突如、左羽のすぐ横を通り過ぎてゆく影がありました。


近所のデブネコです。


デブネコはさっと小鳥を銜えると、速疾鬼のように走り去っていきました。



ああ、なんて可哀想な小鳥だろうとおまるは思いましたが、これは仕方のない事なのだということも、ちゃんと分かっていました。


所詮、生き物は命を喰らってでしか、生きていくことはできないのです。


命は命を食べて命を繋げるのです。


生滅を繰り返し、物事はすべて移ろい往く。

なんという皮肉な世の中なのでしょう。


しかしこれがおまるの生きる世界であり、全てです。

おまるは賢いアヒルなので知っていました。


「諸行無常よ」


おまるはそっと呟きました。



けれども正直、たとえおなごがわんさか集まってこようとも、あのデブネコとは力を合わせたくないなと思いました。



おまるのお尻の穴が恐怖できゅっと締まりました。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ