クリトリス
僕の名前はクリトリス。
みんなの知ってるクリトリス。
僕はいつも負い目を感じてる。
かわいそうなクリトリスなんだ。
だって、クリトリスって名前を聞いただけで、
みんなは口々に、いやらしい、デリカシーがないと言うのだから。
僕の名前はクリトリス。
みんなの知ってるクリトリス。
クリトリスの名前がもしクリトリスじゃなかったら、
クリトリスじゃない何かが、僕と同じ目にあうんだ。
みんなからいやらしいって言われるんだ。
僕の名前はクリトリス。
みんなの知ってるクリトリス。
もし、クリトリスの実体とクリトリスという名称を
分離して考えるならば、名前としてのクリトリスは、
どんな意義をもつだろう?
クリトリスの実体は、認知されていないかもしれない。
この世にクリトリスなるものは存在しなかったかもしれない。
僕の名前はクリトリス。
みんなの知ってるクリトリス。
僕はクリトリスになりたくてそうなったわけじゃない。
名前としてのクリトリスは、言いました。
ああ、神様。どうか、
僕に素敵な実体をください。
僕の名前はクリトリス。
みんなの知ってるクリトリス。
クリトリスはその日、夢を見ました。
夢の中でクリトリスは、様々なものになりました。
ケーキ、機械の部品、サンドイッチの材料、、、、
ああ、僕の名前はクリトリス。
みんなの人気者さ。
僕の名前はクリトリス。
みんなの知ってるクリトリス。
夢から覚めたクリトリスは、やっぱりクリトリスでした。
なんだ、、夢だったのか。
僕の名前はクリトリス。
みんなの知ってるクリトリス。
クリトリスの実体は言いました。
きみが僕の名称でいてくれてありがとう。
きみがいるから、僕がいる。
僕がクリトリスとして存在できるのは、
クリトリスという名前があるからなんだ。
僕の名前はクリトリス。
みんなの知ってるクリトリス。
夢から覚めたクリトリスは答えました。
人は、名前を付けるためにうまれたのかもしれないね。
だから僕らは、クリトリスなんだ。
そう、すべてはつながっているのだから。
卑屈になることなんてないんだ。
だって僕らはクリトリス、みんなの知ってるクリトリス。
クリトリス。クリトリス。
僕の名前はクリトリス。
みんなの知ってるクリトリス。
クリトリス。クリトリス。
僕の名前はクリトリス。
立派な立派なクリトリス。
クリトリス。クリトリス。
僕の名前はクリトリス。
クリトリスでよかった。
クリトリスでよかった。
おしまい。
感想まってます。