孤独死できるかも!?
新章 第一話です!今回はちょっと人でなしが出てきます!
そして第一話は、短いです!
切りを良くしたかったので。
まだ薄暗い夜明け前。
粗末な小屋のような家に、オギャーオギャーと言う鳴き声が響いた。
私は、また生まれ変わったらしい。
今度はどんな家族だろうと、まだ良く目が見えない目で回りを観察していると、声が聞こえてきた。
若い男の声だ。
「女か?」
「男の子よ」
「男か…いらねぇな。捨てくる」
「分かったわ はい。」
捨てられた…
簡単に捨てられたよ…私の母親は抵抗も反論も無く、簡単に私を男に渡した。
マジかよ…
まあ…どさくさに紛れて 出産直後の母乳は飲んだから、免疫関係と空腹は満たせたからまだ良かったが…
私は…いや今回は男の子だから俺だな。俺は今、首すらすわっていない赤子だ。
そんな子供を捨てるなんて、今回の親はかなりの人でなしだったようだった。
そしてタオルすら貰えなかった俺は、裸体のまま獣の唸り声が響いている森に捨てられた。
父親らしき男は、俺を地面に置き去りにすると、一度も振り替えること無くそのまま去っていった。
止めを刺されはしなかったのは良かったが、回りには幼児のモノとおぼしき骨が散乱している…このままこの場にいれば、確実に獣の腹の中だ。
名前も貰えなかった俺は、まだハイハイすらできない。
なので、草村をゴロゴロ転がりながら何とか移動し、避難出来る場所を探していると、近くに小さな洞窟を見つけた。
俺はそこを、住みかにする事に決めた。
俺は生きるために、魔法が使えるかと魔術を発動してみる。
魔法を発動してみると、何と赤子にも関わらず魔法が使えた。
色々試してみると、生前に使えた魔法は全て使えるようだった。
良かった…
俺はまだ喋れないので、無詠唱で風魔法を発動して、先ず体を癒す。裸体でゴロゴロ転がったせいで、あちこちに血が滲んでいたからだ。
体を癒し終ると、次は食料と衣服だ。
服は風魔法を使い大きめの布を拝借し、食料は水分多い果実や、俺を捨てた男の家畜の母乳を男に見つからないように、深夜にこっそり集めて それ飲んで生き延びた。
男に見つかる危険をおかしてまで家畜の乳を飲んだのは、果物が余り実っていなくて、足りなかったからである。
しかし…今世はラッキーだった。
家族が生まれて直ぐに、俺を捨てたのだ。
今世…今世こそ俺は、念願の御一人様になれるかもしれない。
アイツに…出会わなければの話かもしれないが…
新章 第一話 でした。
彼の名前は、そのうち彼自身が格好いい名前をつけるでしょう。
では、次回も宜しくお願いいたします




