#90 波乱の魔法演舞
さあ、魔法演舞の開始です!
アルビレオ支部の星誕祭二日目、今日は星誕祭のメインイベント【魔法演舞】である。
魔法演舞は年間でアルビレオ支部で最も功績を挙げた上位16名が二人一組でペアをくじ引きで決め、トーナメント方式で優勝を競うというものである。
優勝したペアにはそのペア一人づつにリックス支部長いわく【一人にどんな願いでも叶えちゃうぞ券】が贈呈されるらしい。
ペアの片方だけでもノックダウンしたら負けというルールで、王の器は勿論武器全般の使用は禁止である。(勿論命の危険があるので)
ペアは直前まで知ることは出来ず、作戦を立てるのは事実上不可能である。
『さあ!始まりました星誕祭二日目のメインイベント魔法演舞!解説は勿論この私【アルビレオが生んだ奇跡のイケメン】ことリックスがお送りいたします!!』
『いえ、支部長誰もそんな事は言ってません。まあ置いといて、実況は私、ミラ・コーネリウスがお送りします』
アルビレオ支部の魔法演習場に設けられた魔法演舞特別ステージにはアルビレオのみならず、他の町からも大勢の人が詰め掛けており、大盛況である。
『ここで、エントリー選手の発表です!先ずはこの人!女ったらしのマイペース元隊長!ジント・ルシルフル!!』
『うわっ、相変わらず酷え言われようだな』
そう言ってジントが現れる。
ジントにかけられる歓声は隊長に相応しく、大きなものとなっており、今までのジントの人徳がそれだけでもわかるというものだ。
『次は、そんな隊長の良き補佐役、一途な麗しき副隊長!三雲ミサト!』
『しっ、支部長!それは言うなと!』
そう言ってミサトが現れる、視線はジントに向けられているがジントはよく分かっていない様子である。
『さあ次は、何時も微笑みを絶やさない頼れるお姉さん!ケイト・シュライデン!』
『あら、支部長ありがとうございます』
ここでも微笑みを浮かべケイトが現れる。
『次は、誠心誠意、市民を守る最後の砦!橘レンカ!』
『よーし、お姉さん頑張っちゃおうかな?』
レンカも負けじと大きな歓声が送られる。
『次は、そんな隊長の良き相談役、ガーベラのマスコット!コリス・ユートス!』
『ま、マスコット…』
少し照れながらコリスが入ってくる。
『次は、そんな二人を守る鉄のゴリ……砦!杉山ユーマ!』
『今、ゴリラって言いかけましたよね?』
心なしか落ち込んだ様子でユーマが入ってくる。
『次は、言わずと知れた鬼教官!流星こと、オルガ・エレサール!』
『支部長、少しはしゃぎ過ぎなのでは?』
額に血管を浮かべながらオルガが入ってくる。
『次は、二重人格の凶悪新人!トーン・ルーツ!』
『が、がんばりますっ!』
今はオドオドモードである。もうすぐしたら豹変する事であろう。
『次は、アンタレスから来た豪腕隊長!前鳥カルマ!』
『おおー、凄い人だな』
キョロキョロしながらカルマが入ってくる。
『次は、こちらもアンタレスから来たミステリアスレディ!セシリア・フルレイン!』
『あ、あまりじろじろ見ないで下さい』
少し、オドオドしながらセシリアが入ってくる。
『次は、アルビレオの生んだワガママ姫!エンドリア・グレイス!』
『さあ、始めましょう!』
セシリアとは打って変わって堂々たるエンドリアの入場である。その歓声がジントより大きかったのは秘密である。
『次は、椿ケイ君』
『もっとなんか言ってください⁉︎』
哀れなケイの入場である。
『次は、言わずと知れたアルビレオの英雄!神凪アキト!』
『よし!頑張ー』
アキトの声はもう自分の耳にすら聞こえていない。
『『『キャーーーーーー!!!!!』』』
という耳をつんざく黄色い歓声が全てをかき消した。
それほど今のアキトは有名であり、噂によるとファンクラブもあるらしい。(男女比1:9 リックス調べ)
『気をとりなおして、ラストはそんな英雄の恋人!英雄の妻は確定か?リラ・カーネリア・プレシア!!』
『つ、つ、妻………えへへ……』
顔を真っ赤にしたリラが入場する。
勿論リラにも大きな歓声がかけられる。
その歓声がアキトよりも大きかったのは気のせいではないだろう。
『それではこの16名で今年の魔法演舞を行ってもらいます』
『あれ、支部長二人足りませんが?』
『いいのです、実況のミラさん。残りの2人はまだ秘密です。皆さんも考えて下さい。ふふふ』
不敵にリックスが微笑む。
ミラの質問も棒読みで何か怪しい、これはあれだな。
うん、あれだ。
『それではくじ引きを開始します、皆さん。せーので紐を引っ張って下さい』
紐の先は色が塗り分けられており、その同じ色の人がペアである。
『それでは、行きますよ、せーの!!』
14人が一斉に紐を引く、それと同時にアルビレオ支部星誕祭恒例の魔法演舞の幕は切って落とされた。
『さあ、第一試合きまりましたあ!注目のカードは……ジント、アキトチームVSレンカ、コリスチームです!!』
さあ、優勝者は誰になるのか!その答えはムササのみぞ知る!




