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聖焔の軌跡 〜Miracle Lucas〜  作者: ムササ
第四章 Distance of the mind
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第二部プロローグ 新たなるツボミ

間が空いてしまい、すみません。

これより第二部開始です!!

オル・グランクのノアの箱船計画をアルビレオのシリウス達が阻止してから一週間。

アキト達はまた魔獣を相手にする日常に戻っていた。

シリウス本部の損害は酷く、今は立て直している最中である。

アキト達がシリウス本部を壊滅した後、徹底的な調査が行われたが、アルドやキリコの遺体は発見されなかった。


ジントは立て直した後のシリウス本部に抑止力として行く事が決まっており、ミサトもそれについて行く様である。

アルビレオには連日非礼を詫びる連絡が入って来るが、アキト達は当たり前の事をしただけと言わんばかりに返している。


また魔獣との戦いの日常が始まったころだった。

王都よりの使いという二人組がアルビレオにやって来たのだ。


『こちらはコルノスティ王国国王 ソールバニス・オリハルニア・コルノスティ様の使いである!次の者は居るか⁉︎神凪アキト、リラ・カーネリア・プレシア、ジント・ルシルフル、椿ケイ、リックス・デア・コンボルト。以上だ!』


アキトとリラが偶々近くに居たため直ぐさま駆け付けた。

その使いの姿を見た時アキトが驚いた様な顔をする。


『キケロ師匠!それにシアンも!』

『久しぶりだなアキト』

『アキト、この人達は?』

『ああ、リラ達は知らなかったんだな紹介するよ。この人はキケロ・デクアロス俺の師匠だ。それにもう一人はシアン・デクアロス。キケロ師匠の実の娘で、俺の妹弟子だ』

『貴女がリラさん?』

『ええ、アキトがお世話になったのね』

『ふむ、礼儀正しいのだね。それで他の二人はまだかな』


その時ケイがジントとリックスを連れてやってきた。


『ああ、何かと思えばキケロのおっさんか、久しぶりです』

『君か、という事はソールバニス王が何か用が有るのだね?』

『アキト、この人達は?』


アキトはケイにも一応リックスジントにも同じ説明を繰り返す。


『全員集まってくれて感謝する。用は馬車の中で話そう、ソールバニス王がお呼びだ。サウサンクロノスまで来てくれるかな?』


用というのは聞くまでも無いだろう、このメンバー、そしてこの時期と言えばオル・グランクの話を聞きたいに決まっている。となると、国王になど逆らえるはずも無い。


『途中でアンタレス支部のカルマ君も呼んでもらう事になっているが、よろしいかね?』

『まあ、大丈夫ですけど、アルビレオは平気でしょうか?』

『まあその分は心配ねーだろ、ミサトもオルガさんもいるしな』

『まあそうですね』


そのままアキト達は国王の紋章の馬車に乗り、アンタレスでカルマを拾ってからコルノスティ王国の王都である、サウサンクロノスまでの馬車旅を楽しんでいた。

アキトの隣に座るリラがアキトに話し掛けてくる。


『ねえアキト、国王様がなんでお呼びなのかな?』

『んー、多分オル・グランクの事だと思うんだけど、そうなるとカルマがいらないんだよなー』

『ああ、それなら国王様は沢山要件があるって言ってたよ』


シアンが話に入ってくる。


『それよりさっきからリラさん?アキトにくっつき過ぎじゃない?』

『え、だって私達付き合っているもんね、アキト』

『うん、まあそういう事だ』

『えっ、そうなんだ……』


そう言ったきり、黙りこんでしまった。

その微妙な空気のなか、アキト達を乗せた馬車はこの大陸最大の魔法国家の中枢を護る外壁の中へと入って行った。


王宮へと入った後、アキト達は大きな応接室に通され、キケロの合図があるまで出ないでくれというお触れを受けた。


『ねえ、アキトソールバニス国王って見たことある?』

『いや、見たことは無いな、でもキケロ師匠が隊長を務める王様の護衛部隊のカキツバタに俺居たこと有るんだけど』


その話は初耳である、リラがその事について触れると。


『うん、その記憶もなかったからね、てゆうか俺カキツバタの次がグラジオラスぽかったんだよね。でもまあその時にソールバニス様の孫のミディア様にはあったこと有るよ』

『まじか!ミディア様と言えば絶世の美女で有名じゃねえか、いいなー。俺もカキツバタに入ろうかなー』

『いや、ケイじゃ無理だよ』

『…流石にそれは酷くないか?リラ』


その時キケロが呼びに来て王の間まで来るよう伝えられた。






とても綺麗な装飾を施した大きな扉を開けると、一番奥に大きな椅子がある大きな部屋が現れた。


『もうじきソールバニス様が来られる、それまでしばし待ってくれ』


その言葉通り、彼らが姿勢を正し向き直ると、奥の扉が開き数名の人物が入ってきた。戦闘に立つのはコルノスティ王国にて知らぬ者はいない、国王「ソールバニス・オリハルニア・コルノスティ」その人である。


『よい、楽にせよ』


そう言われて素直にはなれないのが人間である。

二度目の言葉でやっと顔を上げた。


『ご苦労、待たせた様だな』

『お初にお目にかかります、神凪アキトと申します。本日は陛下への謁見の誉れに与り、恐悦至極にございます』

『ほう、随分と同に入ったものだな。流石は神凪の名を継ぐ者ということか』


その後、リラから順番にソールバニスに挨拶をする。

だが、緊張せずに言えたのはアキトとリックス位なもので、ジントも少しどもった位なので、ケイなどは殆ど何を言っているか分からない状況だった。


『さて、本題に入るがの。先ずはこの度のオル・グランクによる反乱の鎮圧ご苦労じゃった。コルノスティ王国国王として礼を言おう』


流石に王たる者頭を下げる事は出来ないが、最大限の賛辞を貰い、アキト達の気分は高揚する。


『それでは詳しい報告を頼む』


その言葉を受け、アキトとリラがオル・グランクとの戦いの顛末を話す。

グラツ・ティーエンスをオル・グランクが殺した事、悪魔の力の事、神器との対話の事、そしてラルゾ・クラレーガンの事。

それを受けて、ソールバニスとキケロが初めて反応を返す。


『ほう、神器との対話を果たし、古代魔法をも手懐けたか。中々精進しているようじゃの』


アキトとリラの話が終わり、次に話したのはケイだった。

シルと呼んだ悪魔が王の器を使ったこと、魔獣は悪魔を襲わなかった事、そしてシルからコルセアを奪った事。


『それはお主が持っているのが良いじゃろう。後で手続きを済ませるが良い』

『有難き幸せ』


最後はジントである。

だがその話は始まって直ぐ、アキトによって遮られた。

それはアルドとキリコが神器を使った事を話した時。


『トールって…』

『ん?どうしたんだ?アキト』


そこで始めてキケロが口を挟む。


『トールはな、俺の神器なんだ』

『!!そうなんですか、確かに彼奴らは自分を本当の適格者じゃ無いって言ってましたが…なんで』

『俺はトールをシリウス本部にメンテナンスに出した、その時だろうな。適格者の情報をオル・グランクが読み取り、それをアルドに伝え、無理やり適格者にした。というところだろう』

『それにじゃな、プルートという神器は…』

『お待ちください陛下!!!!』


アキトがソールバニスの言葉を遮る。

本当ならば国王の言葉を遮るなどあってはならない事である。だがソールバニスはその言葉を止めた。


『ふむ、すまんなアキトや。記憶を取り戻しておったのじゃったな』

『すみません、陛下』

『取り敢えずは取り逃がしたであろうアルドとキリコの捜索をシリウスには普段の任務の間にやって貰おうかの』

『『『『拝命しました』』』』

『時に、リックスや。お前は少し残ってくれるか?それに皆に了承してほしい事がある。 』


皆がソールバニスの言葉を待つ。


『この度の事件で民衆は魔獣への恐怖を改めて覚えたであろう。そこでこの度の事件で多大なる功績を挙げたアルビレオにアンタレスを加える形で東の土地を護る新たな都市になってほしいのだ。簡潔に言うと、アルビレオとアンタレスを合併して、東に新たな都市を作る事を了承してほしい』

『それは構いませんが陛下、魔獣はどうするのですか?』

『先ずは大きな壁で二つの都市を囲み、中に残った魔獣をシリウスが撃退する本来の方式でやろうと思う』

『それでは、私達がお触れを出すのですね?』

『ああ、頼んだぞ若者達よ。そしてもう一つ、神凪アキトに頼みたい事がある』

『何でしょうか』

『グラジオラスの再建をしてほしい、この度の事件でシリウスの信頼は落ちた。そこで新しく特別支援部隊として、グラジオラスを作ってほしい、人事はお主に一任する。もう少し決まったらまたここへ来てくれ』

『拝命しました』



そうして、リックスを除くシリウス達は帰って行った。

王自ら見送った後、ソールバニスはリックスとの対談を始める。


『そなたは、シリウス本部へと行かなかったのかね?』

『ええ、私にはやらねばならぬ事があったので』

『そなたがいればもう少し楽だったのではないかね?三賢者の一人よ』


その言葉にリックスは猫を思わせる微笑みを見せるだけだった。


『まあよい、今必要なのは研究者としてのおぬしじゃ。これを理論として完成して、作ってほしい』


そう言ってソールバニスは何かの図面を見せる。


『はあ、善処しましょう』









そうして、6ヶ月の月日が流れる。

アルビレオとアンタレスは一つの大きな都市となり、アルビレオとして生まれ変わった。





だがアルドとキリコは見つからず。

人々の記憶から薄れていくのだった。








ある森の中の中で一人の少女が目を覚ます。

その姿はまさしく人間の少女、だが耳は狐のそれが生えており、狐の尻尾まであった。


『みゅう??』


また新たなる出会いが訪れる。

みんなが待ってた(?)ケモミミ少女!!

この少女の正体やいかに!!

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