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聖焔の軌跡 〜Miracle Lucas〜  作者: ムササ
第四章 Distance of the mind
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#86 人類救ってみましょうか

第一部残すはエピローグだけとなりました!

此処までお付き合いくださった皆様改めてお礼を申し上げます!


『まだ……まだ終わらんぞ……その際ひとの体などどうでも良い………貴様ら全員道連れだ!!リミットレス、発動!!』


絶望の輪舞曲が巻き起こり、シリウス本部長室が壊滅する、アキトとリラは複雑に曲がりくねる空気の渦に巻き込まれながら下の階層へと叩き付けられる。


『ぐっ!』

『きゃあ!!!』

『アキト⁉︎リラ⁉︎どうした!!……いやそれより何だ彼奴は!!』


直ぐさまジントとミサトが駆け寄るが、アキト達は上手く言葉を発する事が出来ない。

その状況に追い打ちをかけるように上からオル・グランクが降りてくる。

だがその姿はもうヒトとは呼べるものでは無かった。

四肢は完全に魔獣のそれと化しており、身体はまるで狼の様な顔をして、顔が三つあるまるで地獄の番犬ケルベロスの様な姿形をしていた。


ズドンという音と共にオル・グランクは地面に降り立つと、周りを見渡しつんざく様な咆哮を上げる。

もう既に理性は失われている。


『あいつがグラツの正体です……』


アキトがやっとの事でそう絞り出す。


『何……そうか。お前たちは休め此処は俺が食い止める』

『待て人間』


アキトの右腕が赤い光を放ったと同時にそんな声が周りに響く。

目を開けると赤い光が目の前に浮かんでいた。


『我が名はブリューナク、貴様らは我が主の仲間か?』

『ああ、そうだ』


ジント達はいきなり起こった状況に戸惑いつつもその言葉に即答する。


『そうか……おい起きているだろう?ヴァルキュリア』

『ええ、起きているわ』


今度はリラの左腕が青白い光を放つと青白い光が中に浮かんでいた。


『我が名はヴァルキュリア、久しぶりね仮初めのNo.1』

『ふん、まあいい。我が主の仲間達よ少し今起きた状況を説明しよう話はそれからだ』


ブリューナクと名乗る赤い光が一際大きな光を放つとそこにいたシリウス達はさっき起きたアキトとリラの体験を追体験した。


『理解したか?彼奴のお陰で我が主とヴァルキュリアの主はこのザマだ。だがこのまま行くと我々にも少しばかり不都合な状況になる。平たく言えば今言葉に我が主達に死なれては困るのだ。そこで提案だ。今から我が主達に一度だけ此処を切り抜ける為の魔法を授ける。だがそれには少しばかり時間が必要でなそこで貴様らに時間稼ぎして欲しいのだ』

『なるほど、話はよく分かった。俺たちはあいつを食い止めれば良いんだな?どれ位稼げばいい』

『約五分だ、頼めるか?人間よ』

『ああ、それ位ならば』


(正直あんな化け物と五分といえど対峙するのは厳しい、だけど死に物狂いでやりゃあどうにかなんだろ)


『ふむ、よく言った貴様らは適格者では無いのでな少ししかやれんが私達の加護を受けろ、それがあれば五分程度余裕だろう』


ブリューナクとヴァルキュリアの光がジント達を包むとジント達を薄い光の膜が包む。


『よっしゃいっちょ人類救ってみますか。行くぞてめえら』


ジント達はオル・グランクの元へと走り出す。

運命の五分間である。


『さて、意識はあるなアキト、立てるか?先ずはそこからだ』

『ああ、なんとかな』


ふらつきながらもアキトとリラは互いに支え合い立ち上がる。


『これから一度だけお前の魔力の器を超えた魔力を流し込む、それを俺の言う通りに扱え、そうすればみんなで生きて帰れる』

『貴女もよリラ、隣でアキトを支えなさい』

『『はい』』

『だが一度だけで10秒だ、それ以上するとお前たちの体が持たない。準備は良いな?』

『ああ、頼んだぞブリューナク』

『魔力を流し込んだら二人は互いに後ろから互いの腰を支え合え、そうしたら二人を繋ぐ物…そうだその練器がいい。二人の手袋を持つ手を前に突き出し、手を繋げ。あとはお前たちがその魔法を使える器ならば自然と呪文は浮かんでくる』

『分かった』

『それをするには先ず封印を解かねばならん、いいか、この封印を解くとお前の過去の記憶諸共解ける、それでも構わんな?』


その言葉を聞いてリラは少しだけ迷う、オル・グランクの言うことを信じるならばアキトの幼少期はあまり良いものとは言えないだろう。

だがアキトのそれに対する答えは早かった。


『ああ、構わない』

『良かろう、ではいくぞ。制御機構解放ファースト・リミット・リベレイション!!』


ブリューナクがそう言うとアキトの体が赤い光に包まれる。


『てば検討を祈るぞ、我が主よ』

『そうね、頑張るのよ』


そう言ってブリューナクとヴァルキュリアは消えて右手と左手にそれぞれ戻っていった。


『アキト……』

『ああ、大丈夫だよリラ、さあやろうか時間が無い』

『うん、大丈夫だよアキト。私がずっと隣で支えるからね』

『ありがとうリラ』


二人はそれぞれの神器に言われた通り互いに腰を支え合い、ソルナイツをはめた腕を前へと突き出し手を握る。


(ふふっ、それを使える器ならばかブリューナクも馬鹿ね使えると思ったから教えたんでしょう?)

(ふん、アキトはあいつに似ている。今はまだ寝ているがアキトの体に宿っているもう一匹も起きてもなお従えるのならば俺はそう判断せざるを得ない)

(そうね、リラも同じ。私は信じてるわよ。私達の主を)

(ふん)


そう言ったきり二人の神器の精は口を閉ざした。


『いくよリラ』

『うんアキト』


その体制になると二人の周りを通常運転ではあり得ない程の魔力が包む。

オル・グランクを必死に食い止めていたジント達もそれに気づき、距離を取る。

そして二人は詠唱を始める。


『『我が心は全てを退ける剣となり

我が身体は全ての民を守る盾となり

我が剣は全てを包む光なり

我が盾は全てを裁く光なり

我が全てにおいて命ずる

我が意思を阻む邪なる全ての者に

神の如き聖なる断罪の光で裁きの鉄槌を下せ


地獄で悔い改めよ


終末を告げる光の柱(ラルゾ・クラレーガ)!!!!』』


二人がそう言い放つと共に二人の手の先から巨大な魔法陣が出現。その光が極限まで高まるとそこから巨大な光のレーザーが撃ちだされる。

オル・グランクは絶望の輪舞曲を発動するも、捻じ曲げられた空閑と共にそのレーザーに飲み込まれ、跡形もなく消し飛ぶ。


アキトとリラはそれが終わると共に倒れこんでしまった。


『ははっ、やったぞアキト!!ジントさん!アキト運ぶの手伝って下さい!!』


喜ぶのも束の間巨大な柱を失ったシリウス本部は音を立てて崩壊し始めた。


『おう、ここまでやったからには全員で生きて帰らないとな!リラはミサト頼んだぞ!』

『ええ、全員で生きて帰りましょう!』


ジント達はアキトとリラを抱えながら必死に崩壊するシリウス本部の中を出口へと走った。


『ジントさん………』

『少し休め、俺たちは勝ったんだ、少しくらい寝ても誰も起こりゃしねえよ』

『じゃあ少しだけ…………みんなありがとう』


そう言って少ししてからアキトとリラからは静かに寝息が聞こえ始めた。


エピローグが終わったらなるべく間を開けずに二部へと参りたいと思います。

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