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聖焔の軌跡 〜Miracle Lucas〜  作者: ムササ
第四章 Distance of the mind
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#75 運命の十日間

意外にこの世界の情報インフラは凄いですよ


【フラッグにハッキング…ポールスターのシリウス本部からです!】


エントランスのメインモニターにグラツ・ティーエンスが映る。


【やあ、ご機嫌いかがかな。シリウスの諸君】

『グラツ・ティーエンス…』

【まあ色々と疑問はあるだろうが、単刀直入に言おう、今から私がこの国の王だ】


他の支部では笑われてしまう様な言葉、それを間に受けたのはたった二つの支部だけだった。


【その証拠を見せよう、こちらを見るがいい】


グラツの横に映ったのは町であった。


『今からこの町には見せしめとなってもらう、我々は魔獣を操る事が出来る、論より証拠だ。やれ』


すると魔獣がその町の周囲を取り囲み始めた。

その動きは統率されており、全く無駄を感じさせない。


『キリコか……』


瞬く間に魔獣は町の外壁を破壊し、中へとなだれ込んで行く。


『非道いことを……』


【さあ、そろそろ理解したかな?我々ナイトローズはコルノスティ王国全てを掌握する力がある、シリウスの諸君らは死にたくなければ我々に逆らわない事だ】


アルビレオ支部のシリウスは全員メインモニターを見つめていた、この先の言葉を知るために。


【君達に十日の猶予を与えよう、いきなり従えなど戸惑うのも無理はない。あの力が本当と言うことを証明する為にこの十日間魔獣の被害は一切無くそう】


自分ならば出来る、全くグラツは失敗する事を考えてすらいない。


【それと…大事な事だが、私が管理する世界に弱者はいらない、シリウス以外の者は、全員処刑だ。】


『なっ………』


【ふむ、取り敢えず五日後また話そう、それまでに怒った町の住民に殺されぬよう、頑張るんだな】


グラツの横の町が完全に崩壊したのと同時に映像は終わった。



『くそっ、奴は一体どこまで人の命を奪えば気がすむんだ!』

『落ち着けアキト、まだ十日ある、対策を考えるのには十分だ』

『大変です!町の…町の住民達が!!』


駆け込んで来たのはシリウスの人だけでは無かった。


『おい!どうなってるんだ今の放送は!!』

『何が処刑だ!』

『お前らも俺たちを見捨てるのか!!』

『お願い…私の息子だけでも!』


荒ぶった住民の怒声がここまで聞こえてくる。


『落ち着いて、落ち着いて下さい!!』


必死に何人かのシリウスが止めるが殆ど暴徒と化しており、手がつけられない。


『とりあえず私が出よう』

『リックス支部長!』

『各部隊の隊長、副隊長、並びに全オペレーターは第一会議室にこれが終わったら集合、直ぐに戻る』


取り敢えず支部長直々に宥めた事が功を奏し、一時的にではあるが暴徒は収まった。



『ではこれからの対策を考える』


第一会議室には神妙な面持ちのシリウスが居た。


『既に他の支部は混乱状況、かろうじてアンタレスは事前に知らせてあった為平静を保っているといった所か……』

『どうするおつもりですか?リックス支部長』

『勿論この町の全ての住民を捨て置く訳にはいかないし、彼をこのままにしておく訳にはいかない』

『第一部隊はそれに賛成します』

『ですが……見たでしょうあの惨状を、到底勝てるとは思えない!』

『ならばこのままアルビレオの住民を見殺しにしろと⁉︎』


今の状況はアマリリスとガーベラが支部長の意見に賛成、それ以外はグラツに怯えきってしまっている。


『そうは言っていない!グラツさんに何らかの交渉をして……』

『奴には何も聞き入れませんよ、奴はそういう人間だ』

『取り敢えず!後十日あります、今結論を出さなくても良い、また明日招集します、それまでに各部隊の構成員に伝えること、私はあなた方がどちらに付こうとも何も言いません』

『リックス支部長……』


こうして波乱の一日目は終わった。


『なあ、アキト、俺たちはどうする?』

『俺はグラツを許さない、例え一人でもハルやアツシ、ユイとアンセムを殺したあいつらだけは……』

『一人じゃないですよ、私も一緒だよ?アキト』

『リラ…』

『私もアキト隊長に賛成です』

『エンドリア……』

『そうね、私も賛成よ、アキト君』

『ケイトさん…』

『俺だって賛成だ、俺は絶対にマミや母さんを護って見せる』

『ケイ……』


アマリリスは抗う事になった、だがそのメンバーは他の部隊にある不安を拭いきる事は出来なかった。


『あら、私達も賛成よ、アキト君?』

『レンカさん!それにガーベラのみんな』

『私達ガーベラもアマリリスと同様、抗うわよ』


アマリリスとガーベラ、二つの部隊はその日の内に抗う事を決めた。

だがグラツがもう一度演説する迄の五日間は議論が尽きる事は無かった。



そして膠着状態のまま、五日を迎える。

だがグラツの口から発せられた言葉は強固な信念を根底から覆すものだった。



ノアの箱船計画実行まで残り、五日。

最近前の話に句読点と、変換ミスなどの手直し中です、ちゃんと見ておけば良かったなー


自業自得ですがね。

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