#57 応援要請
ブラックボックス、実際にあったらどんなに便利なことか…
卒業試験の結果により、エンドリアとトーンは無事にアルビレオ支部へ正式に配属となった。
それによりグラツの計画もエンドリアとトーンに伝えられ、二人は全人類を巻き込む計画に賛同する気は無いようだった。
二人はそれぞれエンドリアはアマリリス、トーンはガーベラへ配属となった。
そして卒業試験から一ヶ月、グラツのノアの箱船計画も明らかにされず事態の進展が無いまま膠着状態が続いている時にそれは起こった。
アキトが支部長に呼ばれ支部長室へ行って初めて聞いた言葉が、
『アンタレス支部に応援要請ですか…』
『ああ、そうなんだそこでアルビレオとしても今戦力を減らすのは痛い、だがアンタレスは今危機に瀕している』
支部長の説明によると、今アンタレスの周りには大量の魔獣が出没している。
それに対抗する為に人員の多いアルビレオに応援を頼んできたというわけである。
元々アンタレスはシリウスの量がアルビレオに比べて圧倒的に少ない。
それは、アンタレスがアルビレオの隣に位置する都市であるにも関わらず、魔獣の襲撃が殆ど無い事に由来する。
アルビレオの東には魔獣の巣が沢山有ると考えられている。
アンタレスはアルビレオの南に位置しており魔獣が殆ど襲ってこない為シリウスの量が少ないのだ。
だが今どういうわけか魔獣が大量発生していてアンタレスのシリウスだけでは人員が足りないのだ。
『そこで、アンタレスにはアキト君とリラ君に行ってもらいたい。アルビレオの協力な戦力を失うのは痛いが、此処には他にも大きな戦力が有るからね』
『二人だけですか?』
『ああ、前にも言ったがグラツがノアの箱船計画という計画を画策している以上それに今気づいている唯一の支部から人数を割く訳にはいかない。だが、この一件がグラツの画策という事も考えられる、そこで二人の出番というわけだ。お願い出来るかな?』
『やれの間違いでは?』
『まあそうとも言うな』
支部長がまるで猫を思わせる顔で笑う。
『了解です、行って来ます』
『ありがとう、期間は長くても一ヶ月だ、出来ればグラツの事はまだ伝えないでくれ、余計に混乱させるだけだからな』
『了解です』
『うむ、幸運を』
〜エントランス〜
『……という訳です』
『了解、じゃあアキトとリラの居ない間は俺らがアルビレオを守っとくから安心しとけ』
今エントランスにはアマリリスのメンバー全員が集まっている。
アキトとリラが一時居なくなる事を伝えるためと不在中の確認をする為である。
『じゃあ俺が居ない間はジントさんに隊長を頼みます』
『おうよ、久しぶりだから鈍って無いと良いけどな』
『エンドリア、頑張ってね』
『はい!リラさん!』
『じゃあ、お土産とかよろしくなー!』
『わかったよ、ケイ』
『気をつけるのよ』
『そっちも頑張ってねー!』
『ありがとうございます、ケイトさん、ミサトさん』
『じゃあ俺たちはここら辺で、明日の準備しなきゃいけないんで』
アキト達の出発は明日の朝である。
アルビレオの馬車に乗ってアンタレスまでは約30分である。
〜アキトの部屋〜
『うん、これで準備は出来たな』
アキトの前には沢山のバックがある、何せ最長一ヶ月の荷物である、多くなるのは必然である。
アキトはブラックボックスにバック全てを入れ準備を終えた。
その時ノックが響いた。
『アキトーちょっと良い?』
『うん、いいよリラ、今開けるね』
入ってきたのはリラである。
『アキトはどれ位荷物持った?』
『一応沢山持ったけど?』
『そっかー私も持って行きたいけど持てないんだよね』
『いいよ、ブラックボックスにいれるから』
『本当?いいの!?』
『うん』
『じゃあ、お願いね!』
アキトはリラのバックを全てブラックボックスに入れた。
こういう時も魔法は便利である。
『これで、アキトとのデートが楽しめる!』
『えっ、そういう認識?』
『だって二人っきりだよ?』
『アンタレスの人達がいるよ?』
『いいのいいの!』
リラはアキトが絡むと変な方向に思考が進むらしい。
『まあ、アンタレスの人達には伝えないとな……』
『そっか、アンタレスって、アンセムの……』
アンタレス支部はアンセムの元居た支部である。
アンセムの死はアルビレオ以外には広まっていないのでアンセムの事を知らせる義務がある。
『いい人たちだといいな』
『そうだね』
〜明朝〜
二人を乗せた馬車はアルビレオを出発した。
アマリリスのみんなに見送られアキト達はアンタレスへと向かった。
この時はまだアンタレスに訪れる大きな恐怖の事など誰も知る由も無かった。
アルビレオの周りの位置関係は
アルビレオを真ん中にスピカ支部が北アンタレス支部が南です
エンドリア・グレイス (14)
アルビレオ支部第一部隊アマリリス隊員
固有魔法 ソリッドウェーブ
魔法 アポート ルビー ブラストフィスト
練器 ナイツグランデ
アキトに怒られ、高圧的ではなくなったもののワガママな性格はあまり改善していなく、周りからは姫と呼ばれ続けている
密かにファンクラブが出来ているといううわさは本当らしい




