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聖焔の軌跡 〜Miracle Lucas〜  作者: ムササ
第三章 An encounter and parting
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#54 リラの日記2

リラ『私の日記パート 2!』

『最近、なんかアキトが新人のエンドリアさんに優しいんですよ』


リラが盛大に愚痴っているのはミサトである。


『そりゃあ教官だからじゃ無いの?』

『いや、そうだとしても優しいんですよ!』

『トーン君にも優しいでしょう?』

『まあそうなんですけど…もっと私にも優しくしてほしいんです!』


これは重症である。

まあ客観的に今の状況を説明するならばリラがエンドリアにやきもちを焼いているだけである。


『まあいいじゃないの、アキト君はリラの恋人でしょう?』

『それは…そうなんですけど……』

『まさか、アキト君が浮気するとか考えてる?』

『いっ、いえ!そんな訳では……』

『そんな訳では?』

『ないような、無くもないような、なくもなく無いような』


すなわち有るのである。


確かにエンドリアはとても美人である。

密かにファンクラブが出来ているという噂もある。

だがエンドリアは少し、いやかなり性格に難が有る。


訓練ではずば抜けて成績が良かったため、かなりワガママなのだ。

まだエンドリアとトーンがアルビレオに来てから経った日数は一週間程だが二人ともかなりの実力を付けている。

それも後押しとなってエンドリアのワガママぶりに拍車が掛かっている。

それによって付いたあだ名は、


『アキト君が'姫'を相手にすると思うの?』


そう、姫である。

だがこの姫、タチの悪い事にアキトやリラ、それにアマリリスのメンバーにはきちんと敬語や敬った態度をとるのだ。

恐らく自分よりも実力があるとわかっている相手には敬うのだろう。

いくらアルビレオが激戦地だとしてもそこに居るシリウスが精鋭揃いとは限らない。

とっくにエンドリアやルーツはその他のシリウスをごぼう抜きにしているのだ。


まだ抜かれていないのはリラ達の目から見てアマリリスやガーベラの部隊位だろう。

その二つはアルビレオの防衛の要である。

よってエンドリアはその部隊以外の人間には全く敬った態度を見せないのだ。


トーンは普段の態度からしてあまり驕ってはいない様だが。

彼は戦闘中に難が有る。

なので戦闘中はどうだか知らないが……


そんな話をしているとアキトがやって来た。


『やあリラ、新人達の訓練の時間だよ』

『うん!』


(おお、こいつアキトが来た瞬間に表情が変わった)


心の中でミサトがリラをこいつ呼ばわりしたのは秘密である。

仮にもリラはミサトの上司である(副隊長だから)


『うーん、そろそろエンドリアのワガママも止めないとな〜』


これは珍しい、アキトは人の噂などあまりあてにしないのだ。

それだけアキトにくる苦情や陳情が多いのだろう。


『じゃあ、とびっきり怖い思いでもさせてみれば?』

『『とびっきり怖い思いですか?』』


ミサトの目が怪しく光った(ように見えた)





〜風になびく鬣〜 ギルオス一体の討伐



『今日の対象はギルオスだ、今までとは段違いに強い相手だから気を引き締めてけよ』

『『はい!!』』

『よし!じゃあ行ってこい!』

『えっ、教官は一緒に来てくれないのですか?』

『お前らはもう十分強い、一回二人だけでやってみろ、出来なかったら俺たちが出る』

『わかりました』





ギルオスが現れたのは森である。

森の中は視界が悪く、発見が困難である。


『ああー!どこにいるのよ!!!』


(姫御立腹)


因みにトーンのあだ名は召使いである。

流石にエンドリアも先輩を顎で使う訳にはいかないのであろう。

『いたっ!さっさとやるわよ!トーン!』

『は、はい』


『やあっ!』


エンドリアが光の玉でギルオスに奇襲攻撃を仕掛ける。


『細切れにしてやるぜ!!』


トーンが右手を木にあて、まるで木の成長の様に伸ばし殴った。


だが二人の攻撃は殆どギルオスには効いていない。


『なんて硬さ、これがギルオス……』

『ちいっ!ぶっ壊してやるぜぇ!』


トーンがジャンプをして空中から仕掛けるが、ギルオスは難なくそれを回避。

エンドリアの方へ向かって来た。


『きゃぁぁぁぁあ!』

『はいそこまで』


足が振り下ろされる刹那、アキトがエンドリアとギルオスの間に割って入った。


『古の王に仕えし気高き剣の魂よ、我が意思に応え、大いなる力を我が身に宿せ、いでよブリューナク!!』


アキトはそのままブリューナクでギルオスをボッコボコにした。


『どう?立てる?』

『あ、ありがとうございます……』


エンドリアは今にも泣きそうである。


『前に言ったこと覚えて無いね?危なくなったら仲間を頼りな、その頼れる存在を自分で消してどうするの?』

『そうですね、私ちょっと強かったからって粋がってました、すいません』

『うん、分かればよろしい。さあ帰ろう』


そうしてアキトと離れたエンドリアにリラが近づいた。


『ねえねえ、エンドリア?』

『?なんですかリラさん?』

『アキトの事、好き?』

『ええ、とてもかっこいいと思いますよ』

『やっぱり、渡さないからねっ!』

『えっ、ちょっ、リラの思ってるのとは違うと思いますよ?』

『えっ?』

『人として、です、リラさんがいるのにアキトさんなんて取れませんよ』

『そっか、あーなんか恥ずかし!』

『どうした?リラ』

『うるさいバカ!』



その後のリラは上機嫌だった。






『なんか俺した?』

『さあ?』


もうちょっと平和が続きます

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