#49 悪魔現る
今回ちょっとグロテスクな表現が……苦手な方は覚悟して下さい
でもそんなでもないかもしれません
『今助けるよ!ハル!!』
リラがヴァルキュリアを構える。
神器解放をして、更にその輝きは増している。
『スプレッド バースト!』
リラはスプレッドシャインを放つ、だがファンタジアで爆破の属性を付加し、ガイアに刺さると同時に爆発した。
『グギャャャャャャャャ!』
ガイアが悲痛な叫びをあげる
『イイゾ、オレヲコロセ』
『だめ!ガイアを倒してハルをガイアから引きずり出すから!』
『ダメダ、オレハモウコイツノコアトドウカシテイル』
『コアとは何ですか?』
『コアトハ、ガイアノシンゾウニアタルブブンダ、オレヲコロセバガイアハトマル』
逆に言えばハルオミを殺さない限りガイアは止まらないという事だ。
『誰が、誰がこんな事を…』
と言いつつリラはある人物の顔が脳裏に浮かんでいた。
『それはね、私だよ。リラ・カーネリア・プレシア君』
その声の主はガイアの後ろの崖の上から聞こえた。
『グラツ・ティーエンス……』
『おや、もうグラツ博士とは呼んでくれないのかね?』
『誰が呼ぶか!ハルを返せ!』
『返せないよ、彼はもう人間では無い、魔獣だ』
『違う!ハルはハルだ!ハル以外の何者では無い!』
『ふむ、キィキィと目障りだな、キリコ、リラの動きを止めろ』
『はい、お父様』
キリコと呼ばれた女性がグラツの後ろから出てくる、よく見ればグラツの周りには沢山の人がいた。
『大人しくしてなさい』
キリコがリラに手をかざしたと思うと、リラの体に鎖が何処からともなく現れリラの体を縛った。
『くっ、なにこれ、力が出ない』
『それは……おっとお目覚めの様だ』
グラツの視線の先にはアキトがいた。
『グラツ……リラに何してやがる』
アキトの左腕からはマカツカゼによって魔力が出せない筈なのに黒い魔力が溢れ出していた、そう前の様に。
『ふむ、アキトはやはり'覚醒'したようだな、キリコ暴走させろ』
『はい、お父様』
キリコがアキトに手をかざす。
途端、アキトが苦しみ始めた。
『う、ぅぐぁあァァァアぁあああぁァァァァァァァア!!』
『アキト!グラツ!アキトに何したの!』
『少しばかり魔力を暴走させているのだよ』
『グァァァァァァァァァァァアアァァァァァァアア!!』
アキトの左腕を黒い魔力が包み込む、それと同時にアキトの左腕がまるで魔獣そのものに変化していく。
『アキト!』
『ふむ、素晴らしい』
アキトは完全に自分を見失っている。
『キリコ、ガイアにアキトを襲わせろ』
そう命令するとガイアはアキトに向かっていく。
『やめて!アキト!ハル!』
リラが叫ぶも2人の戦いは始まってしまった。
いや、戦いと言うには語弊がある。
それは殲滅だった。
『グァァァァァア!!』
アキトが左腕でガイアの腹を切り裂く。
そのまま貫き胴体を切断。
アキトは抜き取った左腕に付いたガイアの血をさも美味しそうに舐めとった。
更にアキトはガイアの顔に跳躍、拳を突き立てた。
それは、ハルオミがいる部分。
『やめてぇぇぇぇぇぇ!』
リラの叫びも虚しく。
アキトは左腕でハルオミを貫く。
『グォォォォォォォォォォォォォォォォ!!』
『ありがとう…………アキト……………』
最後にハルオミの声がした。
それと同時にガイアが崩れ落ちる。
『ふむ、もういいぞ止めろキリコ』
キリコがアキトに手をかざすとアキトはまたも苦しみ出し、左腕が元に戻り倒れた。
更に鎖がアキトを縛り上げ、丁寧にもリラの隣へ運ばれた。
『くっ、俺やハルオミに何をした』
目を覚ましたアキトが開口一番そういった。
どうやらさっきの事は覚えていないらしい。
それは都合が良かった、余りにも知るのは残酷すぎる、今は知るべきではない、もちろんここを生き延びられたらの話だが。
『そうだな、君やハルオミ、正確にはグラジオラスのメンバー全員にはある実験に協力して貰った』
『リラもか』
『ああ、全員だ。それは、ハルオミ君とアツシ君、ユイ君には魔獣を、正確には魔獣の細胞を埋め込んだ』
『なっ』
魔獣の細胞を埋め込むなど正気の沙汰では無い。
『三人は魔獣となってしまった、魔獣の細胞が人間の細胞を喰らい、それはそれは目障りな悲鳴をあげながら魔獣となっていった』
『ふざけるな!!』
『三人は完全に魔獣となったので広野へ解き放った、だが君たちは違う、君達には細胞では無く魔力を流し込んだ』
『魔獣の魔力だと?』
『そう君たちは魔獣にはならなかった、人の形を保ったのだ!これは因みにユートピア作戦の後に行ったものだ』
『何故だ、あの時三人は……』
『君たちが爆発させたツクヨミ自体に殺傷能力は無い、あれは魔力を奪う爆弾だ、魔獣は自身の体を構成する魔力を失った事で死んだ、だが人間は死なない』
『だが気を失う』
『そうだ、それによって魔獣の移植は容易だったよ』
『外道め……』
『それによって出来た研究結果を元に私はノアの箱船計画を発案し、実行に至った、君たちのお陰でこいつらが出来上がった』
グラツは後ろの人々を指差した。
『そう、アキト君の左腕から出てくる黒い魔力はアキトに移植された魔獣の魔力だ』
『リラにもしたのか!』
『ああ、だが二人とも面倒だったが貴重なサンプルだったのでな生かす事にした、アキトの記憶は消してな』
『じゃあ、私達は……』
『そう、人間では無い、新しい力を持った悪魔だ!悪魔には魔獣を制御する力がある、だから君たちを拘束できるのだ、因みに最近立て続けに起きたテイクオーバーの騒ぎもキリコ達によるものだ』
『くそっ!!』
『君たちにはまだ生きていて貰わねばならない、まだリラに至っては覚醒前だしな』
そこへミサト達がやってきた。
『アキト!どうしたの!』
『ミサトさん……』
『ふむ、余計な邪魔が入った様だ、アルド、相手をしてやりなさい』
『はい、お父様』
アルドと呼ばれた男が前に出てくる。
『さあ、来いお前らの相手など俺一人で十分だ』
『くっ!どうやら話が通じる相手では無さそうね、』
『ミサトさん!気をつけて下さい!多分そいつらは!』
『そう、悪魔だ』
『おや、そこにいるのはアンセム君かね?』
『てめえ、何で俺の名前を』
『それは、私は君のご両親を良く知っているからね』
『なんだと!』
グラツをお父様と呼ぶのは、アルドとキリコだけです
思い返すと少し前の話にそんな事が書いてあった様な……
気になる方は是非読み返して下さい




