#34 聖焔の裁き
人は神となるのかそれとも…
アキトは全身にブリューナクの焔を纏い、背中には焔で出来た大きな翼の様なものが浮かんでいた。
その姿は神話に出てくる天使の様であった。
右手にブリューナクを持ち、翼を生やし、魔獣を見つめるその姿は執行者そのものであった。
『さあ、聖焔の裁きだ、今まで喰らってきた全ての人に頭を下げながら、地獄へ堕ちろ』
冷静な声の裏に恐ろしい程の怒りを秘めていた。
そう言ってアキトはギルオークの視界から消えた。
それは勿論本当に消えた訳ではない。
ギルオークが目で追いつけ無いほどの速さで動いたのだ。
そしてそのままギルオークの前足を切り落とした。
『グゴォォォォォォ?⁉︎』
一泊遅れてギルオークの悲鳴がこだました。
それを見ていたリラ達は驚愕する。
何せアキトのブリューナクは全てを切れる剣ではあるが、ブリューナクを全身に纏うなど今まで見たことが無かったのだ。
『あれが、神の器の本当の力…』
『まるで、アキト自身が神になった様だ』
アキトはギルオークに何もさせずに、ギルオークに傷を付けていく。
そして、
『聖焔七式 七之太刀 七陣現身』
アキトはギルオークの周りを周り全方位から、七回斬りつけた。
ギルオークに刀傷が増え、尻尾が切り落とされた。
『ギギャャャャャャャャ⁉︎』
アキトはギルオークの身体をいとも容易く削っていく。
が、ギルオークも負けていない。
アキトが止まった隙に、前足を振るい衝撃波を飛ばした。
『聖焔七式 六之太刀 六陽蓮月』
アキトはそれをブリューナクで受け流した。
『聖焔七式 五之太刀 五月雨』
負けじとアキトも衝撃波を打ち出す。
リラ達は起き上がれる程度にはリラの魔法エメラルドで起き上がれる程度には回復したが、アキトとギルオークの戦いに割り込むことはできなかった。
今あの戦いに入ると確実に死ぬ。
その事を皆分かっていたのだ。
これからする爆弾の起爆の為に体力の回復をしていた。
『ギシァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』
ギルオークは傷が深く動きが単調になってきた。
アキトはその隙を見逃さない。
『聖焔七式 二之太刀 二ツ牙』
アキトはブリューナクを右から一回、逆手に持ち替え左に一回ギルオークに突き立てた。
『グオォォォォォォォォォォォォ!!』
ギルオークはもう虫の息である。
『これで、最後だ』
アキトはそう言い放つとブリューナクをギルオークに向かって構えた。
『聖焔七式 迅之太刀 覇タル龍ノ轟キ!!』
アキトは一閃の様にブリューナクを構え、サファイアを足に纏いギルオークの身体を切り裂いた、一閃と違うのはブリューナクがいつもよりも大きく、その後に後ろから縦にギルオークの身体を切り裂いた、ということである。
『終わりだ』
ギルオークは断末魔も上げずにその生涯を終えた。
だが、ブリューナクの焔も消え、アキトも倒れ込んでしまった。
『アキト!!』
リラが駆け寄り確認するが、
『よかった、疲れてるだけみたい』
『そりゃそうだろ、たった一人でギルオークを倒しちまうんだからな』
『そうだね、当たり前だね』
『爆弾の起爆は、私達がやります、リラはアキトの事をおぶってて下さい』
皆リラのお陰で、動ける程度には回復した。
『うん、わかった』
『うーん、ごめん』
『いいのいいの頑張ったんだから休んでて』
そう言ってリラ達は爆弾の落とされた場所へ向かって行った。
周りには何の音もしていなかった。
だが、それに気づく者は誰も居なかった。
もうすぐ、終末を告げる音が鳴る。
迅はじんと読んで下さい
次で過去編終わると思います




