#9 失った記憶(上)
『アキトー会いたかったよー!』
目の前には俺に抱きつく見知らぬ少女、横にはニヤニヤしているジントさんと、赤い顔のミサトさん、しまいには少女が泣き出してしまった。
(あっ、やべえ魔力使い過ぎた)
魔力の使いすぎと情報処理の追いつかないアタマのパンクが重なってアキトは倒れた。
『えっ、ちょっとアキトー!!』
〜次の日〜
『ええーっとつまり、状況を説明すると、リラさんはアキト君の元仲間ってこと?』
『はい、そうです。ほらーアキト、何か言ってよ』
『ごめん、俺昔のこと何にも覚えてないんだ…』
『えっ、嘘だよね?』
リラがアキトの肩を掴む。
『こいつの言ってることは本当だ、アキトはアルビレオ支部のメディカルチェックでも何もわからなかった』
『そんな、アキト、私の事も忘れちゃったの?』
『うん、ごめんね』
『あの事も、か…………』
『それより、アキト動けるか?アマリリスにミッションが出てるいけるか?』
『はい、行けます』
もともと貧血程度なのだ一日寝てもう良くなった。
『ケイは?』
『ああ、あいつならもう元気だよ』
『それじゃあリラさん?あなたも大丈夫?』
『はい、いつでもいけます!』
『それじゃあ行くか!』
ちょっと待ってくださーいアキトはそう言って準備を始めた。
〜悪夢の進行〜 周辺地域の魔獣の殲滅
『魔獣が、居住地域に接近している?』
『ああ、今回の任務は、それを防ぐための任務だ。
だから皆、魔獣は一体も残さずに倒せ。尚この作戦は第一部隊と第二部隊合同で行う』
『範囲が広すぎてアマリリスだけじゃ手がまわらないのよ』
『一人だと危険だから今回は二人一組で行動してもらう』
『うちのチームはジントとケイと、アキトとリラ、私と第二部隊の副隊長であるケイトね』
『まあ、やばくなったら呼べ近くにもう一つチームを配置する陣形だからどうにかなる』
『それじゃあ、解散』
そうして初めての合同ミッションは開始された。
『本当にアキトは私の事も覚えてないの?』
『ああ、本当だプレシアさん。だからもし、良かったら俺のことを教えてくれないか?』
『うん、いいけど帰ってからね?きたみたい』
『うん、わかってる』
『あと、私の事は昔みたいにリラって呼んでね?あっ覚えて無いんだっけ?』
『ああ、わかったよ、リラ』
アキト達の前には大量の小型の魔獣がいた。
〜akito〜
右からでてきたマラゾルを切る、前にいるマラゾルに熱線を浴びせる、こんな動きを何回繰り返しただろう、だがそれでもマラゾルは減っている様子が無い。
『くそっ数が多すぎる、切っても焼いてもでてきやがる』
『でも、数は減ってるよあとちょっと、頑張ろう』
『くそっ、俺にもジントさんみたいな王の器があればっ!』
(あれがあればこんな数大したこと無いのに)
『何言ってるの?持ってるじゃんそれ』
リラの手は俺の右手に握られた剣を指していた。




