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武琉:(何故? 何時の間に?) (作者注:()=心の声)
意味不明な事に、経堂の手が、ギリギリかわした筈の武琉の左手首をいつの間にか、優しく、…捕まえていた!
振り解こうとした必死の抵抗も虚しく、…ビクともせずに、生まれたての手首がジワジワと握り潰されていく!
此の侭では、前回の二の舞である。 しかしこれ以上、明里を危険な目に遭わせる訳には、…イカナイ。
観事:(どうする? 手伝おうか?)/武琉:(お前は、一体何者なんだ?)
武琉は目の前を暢気に浮遊するフザケタ「妖精?」と、心の中で直接「会話?」する。
その姿格好はミニチュアサイズだが、何処と無く「明里?」に似ていなくも無い。
観事:(僕の姿は君の作り出した「幻覚」だよ。何も無い者と話するのは気分が落ち着かないんでしょう?)
武琉:(この状況から、何とかできるのか?)/観事:(大丈夫だよ、でも、…約束護ってね。)