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傷付きながらも怯む様子の無い巨大蜘蛛! 長い脚で人牛の身体を転がし、蜘蛛の糸で絡め取る!
人牛も蜘蛛の懐に喰らい付いて離れない! 関節の柔らかい部分から肉の内側に、指を突き刺す!
次の瞬間! フード男が、武琉の前に、立ちはだかっていた!
武琉:「くそっ、再戦には一寸早くないか? 普通、…特訓が終わってからだろう?」
じりじりと距離を詰めてくるフード男、迂闊に間合いに入られる訳には行かない。
何しろコイツの動きは、武琉の脳の反応速度を、…凌駕する!
観事:「コッチだよ!」/武琉:「えっ?」
考える前に、…身体が動いていた。 重心移動による右への跳躍で、…
気が付くと30cmずれた武琉の直ぐ左脇の空間を、フード男が占有している。