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床に転げながら、傷付いた右目を庇って、人牛が、…低い唸り声を上げる!
一方で武琉にも追撃の体力は無く、ふらふらと後退りしながら、…息を整える。
人牛の硬い皮膚と擦れ合った武琉の右手の殻が、剥がれ落ちて、…
中から、生まれたての蝉の様に真っ白で、小枝の様に細い腕が、…現れた。
武琉は、殻の割れた腕の付け根から、一気に上半身のケロイドを、…毟り取る!
曝け出される! 其れはまるで、痩せ細ったアルピノの様に、華奢な、…子供の身体。
腹の傷も腕の傷も治っている様だが、幾ら何でも化物を相手にするには、…か細すぎる。
武琉:「参ったな、」
老人:「ほほぉ、実に、…興味深い。」