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筋肉に力が入らないのは明確だ。恐らく、骨も内臓も完全には固まっていない。
あの馬鹿力でぶっ叩かれれば、一発で五体満足で居られ無くなるのは火を見るよりも明らかだ。
幸い、人牛には、明里しか見えていないらしい。
武琉は、膝を緩めた状態で爪先を上げて、前にツンノメル感じに摺足の歩法で接近し!
外側から人牛の右腕に自らの右手の甲を被せて、…人牛の前進を妨げる事無く、
跳び箱の要領で体重を乗せて行って、ヨタヨタと人牛の上体を地面に、…引き堕とす!
絶交の攻撃タイミングだが、今の武琉には一撃を加える程の余裕は無く、
一か八かの左の裏拳で、人牛の右目をはらって!…手っ取り早い痛みを植え付ける!
武琉:「オッサン!…頼むぜ、目を覚ましてくれよ!」