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老人:「これは生命の進化を促す「クスリ」の様な物だ。我々は「ネクタル」と呼んでいる。」
老人は、小さなサンプル瓶に入れられた粘性のある白濁液を取り出して見せた。
恐らく、さっき武琉に注射したモノに違いない。
老人:「なに、何処にでも有りそうな「花崗岩」の中に紛れ込んだ不純物を抽出したものだよ。」
老人:「しかしこの「ネクタル」を摂取した生物は、「進化」を促進される。」
老人:「勿論、例外無く「進化」する訳では無く、個体側にも必要な条件は有るのだがな。」
老人:「そして、過去に「人間」が偶然摂取して「変化」した事例がある。」
老人:「妖精や妖怪の類の伝承は、そういった突然変異の産物だと、私は考えている。」
老人:「そして実際に実験を繰り返し、人間が「化物」に「進化」する事は、既に検証済だ。」