73/316
-0073-
老人:「お嬢ちゃんよ、知っているか? 此れ迄に生命は幾度と無く絶滅の危機を乗り越えて来た。」
老人:「一度は、地面に埋もれて生きる黴菌の様な姿に成り下がった事もある。」
老人:「しかしその度に、生命は再生し、発展を続けている、何故だと思う?」
老人:「存在し続ける事自体が、生命の存在理由だからだ。」
老人:「引力に引かれて群れを成すのと同じ位、生命とは原理的に存在に執着するモノなのだ。」
老人:「壊滅的な惑星規模のカタストロフィー、急激な環境変化の度に、生命は「形態」を変化させて、新しい機能を取り入れて、生き延びてきた。魚が陸に上がった様に、恐竜が空に逃れた様に、そして再来する天体規模の異変に備えて知能と環境改造能力を備えた人間が生まれた様に。」