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老人:「やっと、泣き止んだか。」
明里:「お医者さんを呼んで下さい、…武琉を、助けて!」
ホームを通過する急行列車の前に飛び出すのと同じ位に、私達は馬鹿だったのだろうか?
この連中は、子供を誘拐したり、銃で人に言う事を聞かせたりする様な連中なのだ。
耕助からも、関わるなと言われていたのに、
老人:「見るが良い、思った通りコイツはただではクタバラン、」
今や、大きなガラスの水槽に入れられた武琉の身体には、…
破れた腹から滲み出した粘液で覆われて、それが瘡蓋の様に固まり始めていた。