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痛みは疾っくに全身に染み渡っていて、何処から何処迄なのか分からなくなってしまっていた。
痛みと同様に、…自分の身体ソノモノが、溶けてしまった様にさえ感じる。
しかし、相変わらず、ブスブスとした憎悪の様な情念だけは昇華されずに残っていた。
それは未練とか後悔とか感傷では無くて、もっと攻撃的な「反骨精神」に違いない。
武琉:「此の侭、やられっぱなし…って言う訳には、いかねえ!」
武琉:「どうすれば、やり返せる? どうすれば、俺を認めさせる事が出来る?」
それは、武琉が幼い頃から、繰り返し繰り返し、積み重ねてきた、情念。
何故俺の親は消えた? 何故俺は独りぼっち取り残された? 何故俺は其れ程迄に疎まれる?