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武琉:「俺は、一体…どうなってしまったんだ?」
清清しい位に圧倒的な敗北だった。
あのフード男の攻撃が予測出来なかった。 触れられた時には既に肉体が破壊されていた。
肩と肘を潰され、腹を割かれ、頭を割られた。出血も酷い、脳にも少なからず損傷が有る。
恐らく、殆ど致命傷だろう。
しかし、未だ武琉の意識は、明確に存在し続けていた。
これが、所謂死後の「幽体」とか「魂」的なモノで無い事は明らかだった。
何故なら、武琉は、そういうモノを諦めて、否定して、今日迄を生き延びてきたからだ。