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武琉:「別に、見様見真似のハイブリッド拳法だよ。」
長身の男の眼がフードの奥から気味悪く覗く、…但し作り物の様に無表情だ。
老人:「全く羨ましい事だな、…無謀で無鉄砲で、何でも思い通りに出来ると思ってる。」
武琉:「何が言いたい?」
老人:「普通は6階から落ちた子供は受け止められんし、拳銃を持った相手には立ち向かえん。」
老人:「固定概念な思い込みが生命の可能性を拘束しているからな。」
老人:「お前には素養があると言ってるんだ。 誰にでもある訳じゃない。」
老人の目は、黒眼鏡の向こう側で、…更に表情が読めない。
老人:「どうだ、…私と取引しないか?」/武琉:「取引だと?」