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武琉は、寝息を立て始めた明里を起こさない様に、そっと部屋を抜け出して、
静まり返った深夜の街を散歩、ジョギングする。
明里に、魅力を感じなかった日なんか、…一日も無い。
こんな捻くれた自分に、何時も優しくて、何時でも綺麗で、何時だって、…
あの侭だと、傷付いた明里に取り返しの付かない事をしてしまうに違いなかった。
やがて見覚えのある風景迄辿り着いて、道端に停められた侭のSUVを覗き込む。
室内には、死体も、血痕も、一切の惨劇の跡が残っていなかった。
確かに同じグレード、ボディカラーのレンジローバだが登録番号が昨日と違う。
武琉:「一体、どういう事だ?」