-0306-
武琉は想像する。
あたかも腕利きハッカーが目標のサーバーに侵入する如くに、「経堂」の喉下に突き刺した指先から、幾重もの神経ネットワークを放出、「経堂」の「身体」の神経ネットワークと、連結、…侵入する。
流れ込み、流れ込んで来る、互いの想いを、「武琉」が翻訳、統合する。
「経堂」神経ネットワーク:(なんだよ、行き成りー、急に入ってくんなよ! これからビシッと止めの一発を決めるトコだったのにさー!)
「観事」神経ネットワーク:(僕だってビックリだヨ、「武琉」がやったんだよ!)
「経堂」神経ネットワーク:(ええっ?「武琉」来てんの? お久しぶりー!)
「観事」神経ネットワーク:(「武琉」ー、お久しぶりって言ってるよ!この子の事知ってるの?)
「武琉」:(ああ、知ってる、お前元は「俺の手首」だったんだろ?「観事」の兄弟っていうか、「観事」その物じゃないか、)
「観事」神経ネットワーク:(ええ、そうなの? 君、…僕?)
「経堂」神経ネットワーク:(うーん、あれから随分新陳代謝したからな~、正確には違うだろ。)
「武琉」:(まあ、元は同じだって事だ、皆。)
「観事」神経ネットワーク:(道理で、君強いなあー、)
「経堂」神経ネットワーク:(道理で、お前も諦めが悪いと思ったよー、)




