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数十秒で、武琉の右腕は、…完全に復活する。
右腕から、流れ込んで来る、微熱の様な、…軽い違和感。
武琉は心を解放する。身体の言葉に耳を傾ける。
観事-右腕:(やれやれ、武琉、やられっぱなしだね、)
観事-左足:(そうでもないよ、右腕が居ない間、結構頑張ったんだから、)
観事-舌:(明里の舌、気持ち良過ぎだね、)
それから武琉は、明里から受け取った左腕を、切断面にあてがって、…
傷口から溢れ出したゲル状の体液が、互いの傷口を連結して、あっと言う間に、破損した組織を、復活させる、…
観事-左腕:(ただいまー!)
観事-左上腕部:(お帰りー!)
それから、身体の中に入り込んで「拒絶反応」を引き起こす、「違和感」に心を向ける、
観事-違和感:(僕の居場所何処ー?)
観事-肩:(もう無いよ、新しい身体作っちゃったモン、)
武琉:「ナンダイこれ?…全く、馬鹿馬鹿しい!」