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明里:「武琉~!」/武琉:「心配スンナ、これ位、何でもネエ、…」
明里:「そやかて、うち、…うち、…」
明里は何の力にもなれない不甲斐無さに言葉を詰まらせ、武琉は無様な姿を晒す不甲斐無さに、…憤怒の形相を晒す!
武琉:「いいから、喧嘩の事は、…俺に任せとけ!」
しかし、何故だ?…同じ第三形態で、何で、撃ち負ける!
観事:(武琉が邪魔ばっかりするからだよ! 拳法とか、柔術とか、考えてばっかりで自由に身体を使わせてくれないから、…)
確かに、一理あるが、
「武術」がやっている事はざっくり言えば三つ、
一つは、自分の身体を無駄無理無く使う事、一つは、相手の急所を効果的に攻める事、そしてもう一つは、自分の攻撃を届かせる為に相手を誘導する事。
第三形態の武琉と経堂は、身体能力に関して言えば既に十分以上に人間の限界を超えている。 攻撃を到達させる為のフェイントや化勁も、こう何度も手を合わせれば、手の内だって読まれてくる。 やればやる程、遣り辛くなるのは、仕方が無い。
しかし、それ以上に、何かが、…オカシイ?