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「人外」同士の戦闘開始から、約3分、
「経堂」は、じっと立ち尽くした侭、呼吸を整えつつ、右上腕部の深い打撲傷が修復するのを待っている。
「経堂」の見下ろす先に、…地べたに膝を着いて、吐血する「武琉」の姿があった。
何故?こんなチャンスに、一気に畳み掛けてこない?
武琉:(あいつ、遊んでやがる。)/観事:(お陰で僕達も休憩できるけどね~)
(( )は心の声)
武琉:(ふざけんじゃねえ!…馬鹿にしやがって!)
威勢良く強がって見せても、武琉の損傷の方がより深刻なのは一目瞭然だ。
まるでエネルギー切れの様に、第三形態が解けて、シオシオと人間形態に擬態する、…武琉。
武琉:(何か、変だ、…)
武琉、強か、こみあげてきた血反吐を、…吐き零す。