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何時でも、『記憶』は作為的で、『理由』は付随的だ。
どんな言い訳も、意味なんて、成さない。
濱平:「そうだな、…」
濱平:「人が人を好きになる理由なんて、人には、意味が無いのかもな。」
彼女の言葉は、<私>の言葉と一つに溶けあって、何時の間にか、彼女と<私>は、精神を共有する。
濱平:「世界には、出会わなかった奴なんて、腐る程いるんだ。」
濱平:「生まれて来た時代も、場所も、自分では、どうしようも出来ない。」
濱平:「それじゃあ、<「お前達」>は、タマタマ、近くに居て、タマタマ、気が合っただけなのか?」
濱平:「違うだろう、…」
濱平:「人間は、一人じゃ、意味を成さない。 <お前>は、一人じゃ、意味を成さないのさ。」
濱平:「「あいつ」と一緒にいるから、初めて<お前>なんだ。」
濱平:「だから<お前>には無理でも、「あいつ」となら、…何とかなるんじゃ無いのか?」