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もう、諦めた方が良いんじゃ、ないのかな?
もう、手放してしまった方が良いんじゃ、ないのかな?
きっと、彼女なら、出来るのだろう。
彼女なら、たとえ「武琉」が何処に行こうとも、信じ続ける事が出来る。
彼女なら、たとえ「武琉」がどんなに変わってしまっても、寄り添い続ける事が出来る。
<私>には、…無理だ。
濱平:「そうだな、<お前>には、無理だろうな。」
突然、現実の声が聞こえて、…振り返ると、<私>の直ぐ傍に、見知らぬヒトが、立っていた。
確か、「武琉」と一緒に来た女性。
彼女の言葉は、<私>の傷口に深く抉り込んで、慈悲深い。
濱平:「でも、「あいつ」となら、出来るんじゃ無いのか?」