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それは、遥かに人間とは掛け離れたバランスで、長い手足、首、細長く変形した頭、ガリガリの胸と腹、ぴんと長い耳に、大きな瞳。まるで大型の猫科動物の様な、…
京橋:「あらら、あの子も「怪獣」だったの?」
濱平:「お前に比べりゃ、可愛いもんじゃネエか。」
二体の巨大な「化け猫」が、チミドロのステージの上で、…対峙する。
仁美:「あれが、…武琉さん。」
明里:「…武琉!」
数秒の溜息の内に、周りの人間達は、異様な光景に、言葉を失い、
十数秒の嘶きの内に、二匹の人外は、決定的な傷を癒して、戦闘力を回復する。
「武琉」は右腕の稼動状況を確認し、「経堂」は、仮接着された首の骨を掌で叩いて具合を確かめる。
武琉:「クルルル…、」
経堂:「グルルルゥ…、」
武琉:(さてと、どうする?)/観事:(思いっきり!…遊ぼう!)
武琉:(そうだな、疲れて動けなくなるまで、…暴れるか!)
まるで、ベンガル虎がジャレアウカノ様な迫力で、…青白い人外の巨体が、…交錯した!