275/316
-0275-
武琉、掴まれた左手首の状態を、確認する。
あの一瞬で、血管が押し潰されて、内出血が酷い、が、それも直ぐに、…回復する。
武琉:「俺も「化け物」って事か、」
「経堂」が、ゆらりと立ち上がり、3mの巨体を広げながら、まるで鶏でも追うかの様に、ゆっくりと「武琉」に向かって攻めて来る。
流石に掴まったら、面倒な事になりそうだが、…それよりも、どうやって決着を付ける?
どっちも滅多な事ではクタバらないとすると、…お互いに肉の塊になってまで泥仕合を続けるのは、ゾッとしない。
打撃も、関節技も、閉め技も、決定力に欠けて、終わらせられる気がしない。…まさか一瞬で消し炭になるまで焼き尽くす事が出来れば話は別なのだろうが、…
京橋:「手伝った方が良いのかな?…」
濱平:「止めとけ、人間同士の喧嘩に、手え出すんじゃねえよ。」
そして、再び「経堂」が、長いリーチを生かした間合いに、足を、踏み入れた!