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そして「化け物」が、武琉に襲い掛かった!
考え無しに、脊髄反射的に、一切のタメも為しに、行き成りに「化け物」の爪が、武琉の身体を捕まえようと、伸びてくる。
人間離れした第三形態の「経堂」の攻撃を、人間形態の「武琉」が紙一重でかわし続ける。
観事:(武琉、すごーい、どうやって避けてるの?)/
武琉:「要するにお前達は頭使うの苦手だろ、…こんなのは「予測」すれば、簡単な事だ。」
そして、すれ違い様に、「武琉」が、未だ完全に修復しきらない「経堂」の首を刈る!
手首を反しながら、掌で顎をなぞって反り返らせ! そっと、身体を沈ませる動作で、指先を、喉仏の直下に、埋め込んでいく!
体勢を崩された「経堂」は、急所への打突を嫌って、後方へすっ転びながら、逃れ!
それなのに、…何時の間にか「経堂」の右手が、「武琉」の左手首を取って、握り締めている!
武琉:「相変わらず、手癖の悪い奴だな!」/観事:(ねえってば、僕にもやらせてよ~!)
「武琉」は古武術の要領で、握力を込める一瞬前の「経堂」の手首を逆に極めて! 肘から肩ごと絡めて、斬り堕とす!
武琉:「まだまだ、お前の出番は必要無さそうだぜ、」/観事:(ズルイー!詰まんないー!)