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辛うじて、呼吸を続けてはいるが、…既に、丹羽には、痙攣以外、自律的?に身体を動かす術は残されていなかった。
「化け物」は、黒騎士の兜の後頭部にある開閉スイッチを探り出し、細長い指先で器用に操作して、丹羽の頭部を覆っていたアーマーを、…取り外した。
嘔吐物に塗れた女の顔が、曝け出される。
明るい、生の光が、丹羽の目に飛び込んで来るが、既に、涙に滲んだその両眼には、無念以外に映るものは無い。
丹羽:(どうした、止めをさせよ、…でないと、いつか、絶対、殺す、)(注、()は心の声)
丹羽は、既に声を上げる事も侭ならず、為されるが侭に、屍の如くに、…ただ、時を待つ。
生臭い、人と獣のアイノコの様な顔が、丹羽の唇に振れ、その異様に細長い指が、青黒く潰された喉に触れる。
丹羽:(何を、…している?)
「化け物」は、黒騎士の身体を弄って、硬い殻から甘い果実を取り出す術を探ろうとする。
祖師谷:「全く、性欲が旺盛すぎるのが、玉に瑕だな、」
見る見るウチ「化け物」の股間に、凡そ人体には受け容れられざる巨大なモノが屹立する。