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ガスマスクで顔を覆い小銃で武装した数十人の手下達が、ステージ横の穴からゾロゾロ這い出して来た。 大佐の部隊で未だまともに動ける者は黒騎士を除けばたったの4人、到底太刀打ちできる数では無い。
祖師谷:「丹羽奈々子か、仕方が無いな、…当初の計画では「大佐の部隊を壊滅して絶対的な実力を見せ付けた蟹ロボット」を噛ませ犬にする予定だったんだが、お前に「新しい作品」の相手を務めてもらう事に、しよう。」
やがて、ステージの端の床が開いて、地下から「何か」がせり上がって来る。
それは、遥かに人間とは掛け離れたバランスで、長い手足、首、細長く変形した頭、ガリガリの胸と腹、ぴんと長い耳に、大きな瞳、体長は優に3mを超える。まるで大型の猫科動物の様な、…「化け物」、
明里:「た、ける?」/仁美:「えっ?…」/丹羽:「ちぃ!」
恐怖と、憎悪が、黒騎士の毛穴を逆立てる!
既に、蟹ロボットの触角機関銃で衝撃を受け続けたボディアーマーは殆ど防御力を失っている、左腕のガトリングガンの残段数も微妙、両腕のブレードは刃も欠けてナマクラだ、スタンガンの使い過ぎで各部関節のアシストモーター用バッテリも残り5%を切っている。 何よりも(アシストモーターがあるとは言え)160kg以上ある装備を纏って暴れ続けた丹羽の体力は、…とっくに限界を超えている。…それでも、
丹羽:「上等だぁ、キサマァ!」