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正木:「無茶な事をしないで下さい。」/正木が、渋い顔で仁美を睨みつける。
丹羽:「大佐~、全く女の子には弱いんだから。」
其処へ、身長2mは有ろうかと見える黒い鎧の塊が近付いてきた。…まるでSF映画の人型ロボット?
大佐:「ばか者!この小娘はそんな生温いモンじゃない、…本当に死んだかと思ったわ。」
大佐:「小娘、一つ教えておいてやろう、私が死んだ処でお前達の劣勢は揺るが無いし、作戦の為なら私の命など駒の一つでしかない。銃口を外したのはその絶対的な勝算があるからだ。」
明里が、耕助の下に駆け寄って、…抱きしめる。
明里:「耕助さん、武琉が、」…、と、言いかけて、仁美を凝視して、それ以上言葉が出なくなる。
耕助:「武琉が、どうしたんだ?」/明里:「わからへん、わからへんねん、どうしよう。」
仁美:「武琉さんなら心配要りません、あの人は、自分の事位、自分で出来ますから。」
仁美の目は、揺ぎ無い確信に満ちて、あくまでも穏やかだ。