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母の本業はグラフィック・デザイナで、副業がアパート経営だった。
武琉が上京する時に「ウチ」のアパートを見つけたのは耕助さんだ。
色々あって、諸々に臆病になっていた私にとって、武琉は、…
瞬く間に、気軽に触れる事が出来る、気の置けない安全地帯になった。
この私の感情が、恋愛感情かと言われると実の所…自覚症状は無い。
でも、私が武琉の安全地帯で在りたいと思う気持ちは…嘘じゃ無い。
但し、何にでも挑戦的に突っかかる武琉の事が心配なのでは無くて、
一緒に居てくれる誰かに捨てられたく無いと言う、女々しい情動だ、