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船尾から流れて広がる幾条もの波に紛れて、長くて生白い「モノ」が、水中を追尾してくる。
明里:「アレは、一体何なん?」/大佐:「どうやら、全部が幻覚と言う訳では無い様だな。」
大佐は、愈愈川幅が狭まって流れが急になり始めた岸にボートを寄せて、私を陸に下ろし。マングローブの様に密集した小枝の何本かにボートをロープで繋いだ。
川底の泥の中から、ビー玉の様に光を反射する無数の目玉が、コッチを睨んでいる。
私達はブーツの足首までヌカルンダ湿地帯を進んで、漸く陸路を行軍して来た黒騎士達と合流した。
丹羽= 大女:「大佐、敵はどうやら積極的に襲ってくると言うよりも、我々を何処かへ追い込んでいるミタイですね。」
大佐:「退路を断たれるのは我慢ならんな。通信は未だ回復しないのか?」
通信士:「駄目です。ノイズジャミングやディセプションの痕跡は無いのですが、原因不明で通信が出来ません。」
ゾワゾワと、体長30cm近く有りそうなゲジゲジの群れが、隊員たちの足元を、這いずり回っている。
丹羽:「こいつら、食べれるのかな?」