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緩々と小型モーターボートがジャングルの川を遡る。
やがて、曇り空からポタっ…と黒っぽい「何か」が、落ちてきた。 目を凝らして見ると、それは、…黄黒い「蛭」!
明里:「ひぃっ!」
私は急いで二の腕やら襟首に纏わり付いた小さな気味の悪い環形軟体動物を、毟り取って、川へ捨てる! 処がそれは何時の間にかシャツの中にも、ズボンの中にも潜り込んでいて、…取っても取ってもきりが無い。 真っ青になって服を脱ぎ捨てようした私を、大佐がそっと、…制止する。
大佐:「明里さん、落ち着きなさい、「それ」は、ただの幻だ、…現実じゃない。」
身体の敏感な部分を弄ぶ様に、黄黒い蛭達がクネクネと蠢き回ている! 私は、チクチクする様な怖気の錯覚を、必死の覚悟で、…我慢する!
明里:「…うん、」
だって、もう一度武琉と会う迄は、絶対にへこたれたりしないって、心に誓ったんだ。