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正木:「大和さんと藤沢さんを何処へやった?」
祖師谷:「彼らは、自分から私の元を去ったのだ、…但し、勿論、全く当てがない訳ではない。 藤沢明里の居場所なら分かるよ。 彼女は、私の招待客の一人だからな。 そして、「あいつ」は、必ず藤沢明里の元へ現れるだろう。」
スピーカーの向こうで、老人は、笑いを押し隠す様に、息を振るわせる。
正木:「その場所ってのは何処だ?」/祖師谷:「それを教えるのには条件がある。」
正木:「何だ?」/祖師谷:「其処に、隣の部屋に「あいつ」の関係者が居るだろう。 許嫁と従兄弟だ。 二人を同行させるのが条件だ。」
正木:「一般市民を危険に巻き込める訳がないだろう。」
祖師谷:「それなら、この話は終わりだ。 別にお前達は優待客では無いからな。 私は食事に戻るとするよ。」
仁美:「待ちなさい。」
突然、仁美が立ち上がった。