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都内、某警察署。。。
耕助と仁美が待つ会議室に小柄だが厳しそうな初老の男性が入室してくる。 きちんと整えられた白髪と、鋭い目、ピンと伸びた背筋に背広が似合っている。
耕助:「此方は鳥越警部、私が祖師谷教授の件を調べて拉致されそうになった時に助けてくれた特捜チームの責任者の方です。」
鳥越:「あの時はまだ良かった。 無能な私立探偵が余計な事に首を突っ込んで、未だ何も情報を掴んでいない処だったからな。」
鳥越は片目を瞑って、口をへの字に曲げて見せた。
鳥越:「今回は、そう簡単にはいかんよ。 大和さんも藤沢さんも、一般市民が踏み込んじゃいけない処迄どっぷり浸かってしまっている。」
仁美:「それはどう言う事でしょうか?」
鳥越:「今回の誘拐事件は、極めて特殊な管轄下にあって、通常の警察機構には手が出せないのです。」
三人は、互いに難しい顔を見合わせる。
仁美:「では、私どもには、何が出来るのでしょうか?」