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とても、人間には追いつけない素早さで、牛ほどもある巨体が動き!
力任せに黒騎士に飛び掛って、甲板の上に、押し倒す!
大女:「このおー!」
蜘蛛は、フォークリフトの様な強力さで押さえ込み、毒を持った鋭い牙を、黒のボディアーマーに突き立てる!
大抵の刃物や銃弾を受け付けない強靭な装甲が毒蜘蛛の牙に耐えて、…黒騎士は手に持ったナイフを捩じって! 反撃を開始する!
レスリングの要領で、身体をひっくり返し、負けるとも劣らない力で、蜘蛛の巨体を跳ね返す!
何時の間にか、斬り落された蜘蛛の脚が、二本、甲板の上に転がって、痙攣する!
ところが、蜘蛛の傷口は、あっと言う間にゲル状の粘膜で覆われて、塞がってしまった。
大佐:「これは、「アレ」と同じ能力か?」
そして、大佐の足首を「何か」が掴んだ! 見ると、ドロドロに解けた屍骸が、…蠢いて、まるで哂う様に、外れかけた顎を鳴らしながら、大佐を凝視する。