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血糊と蛇の胃液に濡れた人間の屍骸が輸送船の甲板を滑って来て、大佐はそれを、軍用ブーツの分厚い踵で踏みつけて、…止める。
大佐:「あいつは、祖師谷教授の所の化物使いか? 何故、こんな処に居る?」
黒騎士は、ぶった斬られて尚、のた打ち回る巨大な蛇の胴体を蹴り飛ばして、濁った川底へと追い返し、…
大女:「こんなことして、タダジャ済まないのは、お互い承知の上だよね!」
残った蛇の頭部は、それでも未だ4m近くの長さを残して、牙を剥いて立ち向かってくる!
黒騎士は、ナイフのブレードが小指側に来る握り方で構え、器用に手首を反して蛇の下顎を、巨大な牙もろともに、くり貫いた!
尚も、逆さまに吊り下げられた女の蜃気楼は、黙った侭、傍観者を決め込んで居る。
大女:「本体は、…何処だ?」
そして、何時の間に其処に居たのだろうか?…貨物室の屋根の上に、巨大な、牛ほども有りそうな巨大な、ハエトリ蜘蛛が、…出現した!