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ジャングルの大河を、数台のハンヴィーを載せた大きなイカダ式の輸送船が、上流に向かって逆上っていく。
大佐:「あの女か、…この前の戦闘で流れ弾を食らってな、残念な事をした、いい女だったのに。」
船長室から、姿勢の良い初老の軍人が現れる。 後から、いかにも役人ぽいヒョロっとしたオジサンが付いて来る。
委員会の使者:「それで、女の死体はどうしたんだ?」
大佐:「それはまあ、こういう生活で色々溜まっている訳だからな、皆で順番に大切に慈しんだ後、然るべき作法に則ってきちんと埋葬したよ。」
使者は、まるで汚いモノでも見る様な視線を、初老の指揮官に浴びせかける。
委員会の使者:「ところで、何で船を止めない? 私はどうやって元の場所まで戻ればいい?」
大佐:「作戦が遅れ気味でな、余計な時間をロスする余裕が無い、 悪いが自力で戻ってくれ。何、お前さんを乗せた場所から未だ2kmも離れてないから泳げるだろう。ワニとヒルには気をつけるんだな。」
使者は、必死の形相で、…訴えかける。
委員会の使者:「冗談じゃない! 船を戻してくれ、それか、ボートを貸してくれ、泳いで戻るなんて、出来る訳無いだろ!」