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女:「何をしに来た。」/男の子:「言っただろう。「カイト」を復活させる。」
女は、背凭れに深く体重をかけて、薄ら哂う様に、溜息を漏らす。
女:「なあ「山猫」、…命は使えば擦り減るのが自然だよ。 人間は死ぬ迄生きれば、それで十分じゃないか。 もう、終わらせてやれよ。」
男の子は、じっと冷たい目で、傷だらけの女の身体をイトオシゲニ見つめる。
男の子:「万里、残念だが「聖霊殺しの武器」を継承する者に、…休息は赦されないよ。」
武琉:「こいつは、…一体何なんだ?」
ケースの中に横たわる、紫色の骨格は、プラスチックで出来た人体骨格標本か、等身大フィギュアの様な作り物なのに、…所々、その骨格に張り付いた肉片は、内臓は、筋肉は、血管は、諸々の明らかに人間の残骸の様で、…半分以上失われた焦げカスの様な顔面からは、まるで、まだ意識が有るとでも言うかの様に、ぎょろりとした片目が、鈍い輝きを放っている。
男の子:「「カイト」は、未だそのつもりじゃない様だな。」