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男の子:「それでもし、こいつが、そうやって「種」を増やす生物だった場合、それで、最終的に我々との共存を望まなかった場合、どうなる?」
ジェームス:「恐らく人類は、彼に取って代わられるかと思われます。」
男の子:「成る程、交渉相手として不足は無い。…大和と言ったか。」
白人の男の子が器用な日本語で、武琉の瞳の奥を覗き込む。
男の子:「お前の要求を、もう一度聞こうか。」/武琉:「明里を自由にしてやって欲しい。」
男の子:「良いだろう、…それで、お前自身の事は、我々の思い通りにして構わないのだな。」
武琉:「ああ、俺が近くに居ない方が、余計な厄介事に巻き込まれないで済むだろう。」
男の子:「別に我々は、お前が何処で何をしようとも構わない。 いや寧ろ、私としてはお前に自由に振舞ってもらった方が好ましい。」
男の子:「その前にお前には、一つ頼まれ事をしてもらう。」