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フランス、サン・マロ、…海岸に面した寂れた屋敷の二階の出窓、目つきの悪い日本人の青年が、水平線の彼方に思いを馳せる、
そこへ、ジェームス・アンドリューと名乗る青い目の男が、開け放した侭の部屋のドアをノックする。
傍らに12歳位の男の子を、連れている。
武琉:「その子が、そうなのか?」
ジェームス:「ああ、君が会わせてくれと言っていた「交渉相手」だ。「委員会」の最高幹部の一人だよ。」
明里を自由に出来る人物。
武琉:「それで、俺はどうすれば良い? 何をすれば、明里を開放して、これ以上付き纏わないでくれるんだ?」
男の子は、詰まらなさそうに、武琉の顔を覗き込む。
男の子:「意外に普通だな、本当にお前が「祖師谷」が作り出した新人類なのか?」
武琉:「さあな、自分では実感が無いからな。」