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大佐:「失礼だが、名前で呼ばせて頂くよ。 何事も明確でなければ、指揮命令系統は成立せんのでな。」
大佐:「明里さん、…」
って、下の、名前で呼ぶんだ、…
大佐:「明里さんは、自分の置かれている状況の危険さに、気付いておられるのだろうか。」
大佐:「まあ、立った侭で話すのも何だ、座って、食事でもしながら、じっくりと説明するとしようか。」
私は、抗いがたい初老の指揮官?の視線に耐えかねて、少し低めのソファーに深く、腰を沈ませる。
大佐:「少しは、喉を潤した方が良い。 此処は乾燥していかん。 病院施設だと言うのに、空調がなっとらん。」
って、赤ワインを、注ぐんだ、…
大佐:「明里さんは、アレを、何だと思う?」/明里:「アレって、もしかして、武琉の事ですか?」
大佐:「元、武琉君、と呼んだ方が良いだろう。 既にアレは武琉君とはおよそ別のモノに成り果てておる。 正確には、武琉君の身体を養分にして、寄生し、その遺伝情報を利用しながら、成りすましている、全く別の生物なのだ。」