196/316
-0196-
0距離の爆発を受けて、…武琉が意識を取り戻したのは。30秒後、破損した身体が起き上がれる迄に回復するのに約3分の時間を要した。 それでも未だ、彼方此方の筋肉は断裂した侭だから、走り去ったハンヴィーに追いつく事は不可能だろう。
武琉:「観事、…」/まただ、観事からの返事が、…聞こえない。
敵の撤収と共に興奮状態が冷めて行き、「武琉」の身体は、急速に収縮し、次第に元の武琉の姿へと戻っていく。 しかも、子供サイズに縮む以前の、オリジナルの武琉の姿形だった。
全身の火傷は、古い表皮と一緒にぼろぼろとズリムケテ落ちて、再生した真新しい皮膚が現れる。
恐らく、身体を構成する材料が不足しているのだろう、武琉の身体は、殆ど皮と骨だけに痩せこけていた。
やがて、数台の高級セダンと、救急車が到着し…中から、ジェームス・アンドリューと名乗る、青い目の男が降りてきた。